ヤバいぜっ!デジタル日本―ハイブリッド・スタイルのススメ
高城 剛
by G-Tools
まず、10年以上前に、コンテンツの時代は終わった。ミリオンセラーのCDなんてなくなるし、それより『彼氏からのメール』のほうが、コンテンツ価値高いから。エレキギターがロックを生み、ビデオがMTVを作り、コンピュータはなにを生むのかと思いきや、株価アップの道具に成り下がってしまった。だから僕の立場というのは、もう一度コンピュータを通して、新しい文化を考える、生み出すということですね。
ハニカム -高城剛インタビュー記事より-
先日ハニカムで高城剛氏の記事をみて、ひきつけられる物がありました。その勢いで、12年ぶりに書き下ろしたという、「ヤバいぜっ!デジタル日本」(¥660)をAmazonで購入して読んでみました。
本では、これからは経済に変わって文化が日本を引っ張っていくという事が書かれています。世界的に見ても、台湾も日本ブーム、NYやロンドンの先端を行ってる人達は常に渋谷・原宿をウォッチしている。
時代はハイブリッドな新しいスタイルを求めていて、技術でいうなら「あわせる技術」がポイントになるとの事。
スタイルについてわかりやすいのが、iPodの成功です。楽曲単位で音楽が購入出来て、持ち運べる。これらの提案が成功したという事であり、iPodの勝利とはスタイルの勝利だという。
また最もわかりやすかったのは、携帯電話です。もはや単なる「携帯電話」ではなく、メール、ラジオ、テレビ、カメラ、財布機能も付いている。このハイブリッドな複合機を使いこなすスタイルの先頭に立っているのが日本人だという。
テクノロジーや経済ではなく、「文化=スタイル」で次の日本を引っ張れというのが『ヤバいぜっ! デジタル日本』の大きな提案になっています。
世界を旅しながら、大量のコンテンツを消費し、すでにテレビも見ない、ITも終わりという高城氏の考え方は、自分にとっては新しい物でした。
内容的には、Web2.0的な内容はほとんどありません。スタイルや、インターネットの概念、今後の可能性について述べられています。
「ウェブ進化論」を始め、Google、Web2.0、広告、テクノロジーに関する書籍がたくさん出ていますが、それらと切り口が違って、個人的には楽しめました。iPodやIPv6など過去から未来にかけてのスタイルや、成功例が盛りだくさんで、それだけでも十分楽しめる内容です。
まずはハニカムの記事を読む事をおすすめします。その後に興味がある方は、Amazonなどで購入してみて下さい。