トップページ > 記事

MySpaceのメジャー音楽の無料ストリーミング新サービスに注目

2008年08月06日




ライセンス・ビジネスに向かうコンテンツ産業」というおもしろい記事が出ていますが、世界最大のSNSである、アメリカの「MySpace」の新しい音楽配信サービス「MySpace Music」(仮称)に注目が集まっています。

ついに世界4大レコード会社・3社の全ての楽曲をMySpaceサイトから無料でストリーミング配信するという、広告収入で運営された音楽配信サービスが開始されます。

なぜ、無料で聴けるのかというと、まずは無料で音楽を試聴したりダウンロードしてもらってアクセス(視聴率)を上げて、広告収入、物販や周辺の物で売り上げるというビジネスモデルだからです。レコード会社が音楽カタログの使用ライセンスをMySpaceに提供する事で成り立つライセンス・ビジネスになります。

今までもimeemなどのサイトが広告収入で運営していましたが、世界最大のSNSであるMySpaceでは登録ユーザー数が億を超えていますので、アクセス数を考えても注目のサービスになりそうです。ちなみに、MySpaceではユーザの65%がMySpaceに楽曲を掲載していて、毎月50億の楽曲がストリーミングされているんだそうです。


その音楽ビジネスの1つのカギを握る「MySpace Music」の開始時期なんですが、MySpaceの最高経営責任者(CEO)Chris DeWolfe氏いわく、9月になるとの事。

収益は広告及びダウンロード課金で、サービス面では音楽の無料ストリーミング、DRMフリーのMP3ファイルのダウンロード、着信音の提供、携帯プレイヤーで聴く音楽の有料ダウンロード配信、チケット販売、物品の販売を行う音楽サイトを、3〜4カ月かけて展開していくと発表しています。

またMySpace 日本版の登録アーティスト数に関しては国内で7万5000組を突破しているそうで、MySpace Japanの大蘿淳司 代表取締役社長は「毎月4000組程度で増加している」とコメントしています。

僕はインディーズ音楽配信サイトを運営しているので、サービスや機能に注目したのですが、インディーズ活動に必要な機能がそろっているなぁと感じました。

アーティストさんは、MySpaceに登録されている方が多くて、彼らのホームページには7割の確率でMySpaceの青いバナーが貼られています(笑)

ただし、最近では世界一の会員数のMySpaceですが、ページビューではFacebookが伸びていて、抜いたといううわさもあります。

それから、日本では圧倒的なシェアのmixiがMySpaceの競合という事で、日本では複数のSNSに登録する人が欧米に比べて少ないそうで、今後の会員数が気になるところ。そのmixiですが、レコード会社34社と提携して、40万曲から選んでより高音質な音楽を聴くことができる、Pandoraに似た?会員向けの音楽配信サービス「ミクシィラジオ」を開始しています。

無料でも聴けるので、まず何回か体験してみましたが、おもしろいサービスですね。


気になる日本でのライセンス・ビジネスの開始についてですが、


恐らくMySpace Musicについても,米国で4大レコード会社がMySpaceとの共同事業という形でそれを始める以上,その日本法人も同じビジネスモデルを受けいれざるを得ないだろう。もちろん,ある程度の抵抗は予想されるが,ビジネスの世界的整合性をとる上で,日本だけが例外扱いされることは想像し難い。つまり日本のレコード産業も,遅かれ早かれライセンス・ビジネスへと軸足を移して行くに違いない。

記事では日本でも障害はあるが、徐々に広告収入で運営されたサービスをメディアとした音楽配信サービスが開始されるのではと予測されています。

でも、日本ではなかなか難しいかもしれませんね。Napsterの定額制の音楽配信サービスも邦楽が少ないですしね。

日本ではアメブロの様な芸能人を集めたメディアにアクセスが集まりやすいみたいなので、アーティストの曲が無料で聴き放題だと、アクセス(視聴率)が伸びると思います。

でも、追い風となるニュースも。Last.fmが日本版サービスを休止していましたが、ストリーミング機能がついてリニューアルされました。

ユニバーサル ミュージックとパートナーシップを組み、Ne-Yoなどの楽曲が無料で聴けます。独立系レーベルとも提携していて、合計で350万楽曲が聴けるそうです。国内レーベルの邦楽コンテンツも近い将来に追加する予定なんだとか。大手レコード会社との提携に注目しています。

■YouTube&動画でも進むライセンス・ビジネス

それから、音楽産業と同じく、ライセンス・ビジネスで注目されているのが動画です。YouTubeが導入した動画を識別する「動画識別技術」ですが、これにより、著作権的にアウトな動画は削除されるのでは、と言われていました。が、それではユーザー離れが予想されます。

そこで、YouTubeとGoogleがとった戦略は、各権利者の許可を得た上で、YouTube上の無断投稿作品にビデオ広告を付ける事で、そのまま動画を公開してもらうという物でした。


角川のようなコンテンツ・ホルダーはいずれ,YouTubeのような動画共有業者,あるいはMySpaceやFacebookのようなSNS業者に対し,長期契約の形で作品群の使用ライセンスを有料(定額)で一括提供する。それを受けたコミュニティ・サイトでは,ユーザーが無断投稿した作品に広告を載せるなどして,それによる収入をコンテンツ・ホルダーや投稿者に分配するようになるだろう。

すでに日本では角川グループ・ホールディングスが「Video ID」を使った新しい広告事業の計画を発表しています。


音楽ファイルがネットワーク上を転々流通し,デジタル・コピーがねずみ算式に増殖する環境下では,CDや配信音楽のような商品をコツコツと小売しても市場は縮小均衡に陥らざるを得ない。同じく映画やテレビ番組など動画作品のマルチコピーにしても,訴訟で取り締まったり識別技術で個別に管理したところで,とても対応仕切れるものではない。となるとコンテンツ・ホルダーとしては,各種コンテンツがコピーされることを前提としたうえで,あらかじめ,そのライセンスをIT企業に提供し,その定額使用料に加え,広告やEコマース収入のような出来高制で請求する方が理に適っている。

この様に、動画や音楽はライセンスをYouTubeやMySpaceなどの巨大ITメディアなどに提供して、広告や通販、定額使用料を徴収するモデルになるのではと予測されています。

YouTubeやMySpaceという巨大メディアの新サービスとしても注目ですし、音楽産業の流れや、1つの方向性としてとても気になりますね。

この世界的な音楽の無料配信(広告ベース)の流れの中で、着うたなど独自のサービスが盛り上がっている日本がどういった方向に進んでいくのか、今後が非常に楽しみです。

 
   0円で聴き放題の音楽試聴サイト特集   YouTube -無料動画共有サイト-


スポンサードリンク

 


Copyright (C) 2006 ウェブ音 - 無料試聴ニュース All Rights Reserved.

ウェブ音 記事検索


Google