聴き放題のネットラジオ型SNS「Last.fm」が日本進出 (2/2)
2006年07月22日
▼きっかけはレーベルの悩みを解決する事
Last.fmの最高執行責任者である、Martin Stiksel氏のインタビュー記事です。
Last.fmを立ち上げたきっかけについてこう答えています。
Last.fmという形になる前は、もともと2つのプロジェクトでした。ひとつは、レコードレーベル側の悩みを解決するためのプロジェクト。レーベルは、みんなが知らない新人アーティストをどうやったらプロモーションできるか、悩んでいるんです。いくら良い音楽を作るアーティストでも、それを聞きたい人に届かなければ売れません。 (日本の音楽業界を変えるか--Last.fmが日本進出)
▼アーティストのプロモーションの場として
Last.fmでは許諾の取れた楽曲はフルコーラスで、そうでない楽曲は30秒の試聴が可能になっており、ユーザーは許諾の取れた楽曲を組み合わせることでオリジナルのインターネットラジオ局を作ることも可能だ。Last.fmで1日に再生される楽曲数は1,000万曲にも上り、こうした自動的に音楽を推薦しあうLast.fmの仕組みは、「アーティストにとって楽曲のプロモーションという観点からも魅力がある」。 (「新たな音楽との出会いの場を」Last.fmのCOOが日本展開に向けて来日 )
▼音楽業界を変えるか
本家Last FMのイギリスと、日本の音楽産業構造は微妙に違う。 イギリスは小規模のインデペンデントレーベルが、「星の数ほど」ある。 大手レーベルも、その様なインデペンデントレーベルとうまーくやりながら、 アーティスト・楽曲の発掘を行っている。また、市場も本土だけでは金にならないので、 グローバルにマーケットを展開する様ビジネス設計されている。 (Last FMという音楽専門SNSが日本で成功するために)
「音楽業界を変える」ということについて、こちらのブログでも取り上げられていました。
個人的にはMySpace、Last.fm、Pandora、Yahoo!サウンドステーションなどの聴き放題サイトや、ソーシャルネットワーキングサイトに注目しています。
日本ではCDが売れていない事に関しては、楽曲の同質化や、テレビのタイアップ楽曲でなければ売れないサイクル、レンタルCDの利用、すぐにベスト版が出るリリースの仕組み、CCCDの使いにくさなど、いろんな媒体で様々な議論がされています。
CDが売れないというよりも、ヒットチャートを追いかける事から、自分好みの楽曲を探す方向へシフトしている様な気がします。
音楽ニーズはますます細分化されていて、Googleの登場で好きな音楽配信サイトから好みのアーティストを見つける事が出来る。
Googleはコンテンツを検索するのに適した検索エンジンの仕組みになっているので、MySpace、Last.fm、Amazon、音楽配信サイト、音楽情報サイトを簡単に検索する事が出来ます。
そして、iTMSや音楽配信サイトの登場で、楽曲単位で購入出来る様になり、試聴して好きな音楽だけを買い集める事が出来ます。
Yahoo!サウンドステーション、iTMS、MySpace、YouTube、GyaO、mF247など無料で音楽を聴いたり、ダウンロード出来るサイトも続々と登場しています。
CDというパッケージ商品が、流通の主だった頃に比べれば、デジタル音楽配信、着うたなどの流通経路が拡大しているため、流通経路が増えた事による影響もあると思います。
今回のLast.fmの日本進出や、MySpace、Amazon、pandoraなど、音楽を必要な人にダイレクトに届ける仕組みが、日本でもっと確立されれば、音楽の方向もさらに変わっていくのではないかと思います。
例えば、日本ではYahoo!のポータルサービス利用者が多いため、レコード会社がプロモーションに利用している、サウンドステーション。MySpaceの様なFLASHで聴き放題のソーシャルネットワーキングサイト。Last.fmの様なプレイリスト共有システム。好みの音楽が続けて試聴出来るサービスを提供するPandoraなどの行方に注目しています。
アーティストの音楽を本当に必要としてくれる人に、ダイレクトに届ける。そんな新しいサービスの登場を、今後とも期待したいと思います。
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